木について |
箒を逆さまにしたようなケヤキの姿が好きです。新緑のころも、冬枯れの夕日に映えたシルエットも美しい。板も実に味がある。豪放なもの繊細なもの、木目も味がある。割れたり腐ったりしていても、板にしてみると実に美しく変身します。この予想がまたたまらない楽しみでもあります。
工房には板材はもとより、枝もさまざまストックしています。それぞれが日毎に存在感を増していきます。神でもありまた友人でもあります。水木しげるのゲゲゲの鬼太郎の妖怪の世界でもあります。愛しい妖怪たち。工房はたくさんの神々に囲まれています。
木々は選ばれ、削られ組み立てられ化粧されてお客様のもとにむかいます。この木々が新しい使い手(お客様)を守らないはずはない、と信じています。
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作品について |
作風
あかりを点灯したとき、気持ちが安らぐこと、そして楽しい夢が膨らんでいくこと、を制作の基本としています。かって私が木によって導かれた縄文と宮沢賢治の世界を大切にしています。直感的で豊かな感性の縄文の世界のイメージを楽しみ、宮沢賢治の心象風景、とくに童話にも惹かれています。
素材
板材は材木屋さんか、市場で多量に買う友人などから入手しています。作品には木目や形のおもしろいモノ・珍しいモノなどがあるので見つけてください。ナラ、ブナ、セン、ケヤキ、などを中心に、置く場所(壁かテーブル上か)や目的に応じて使い分けます。
枝材についても、太さ・長さ・曲がり具合などいろいろ必要です。微妙な違いにによって作品の印象がまるで違ってしまいます。したがって多量に用意しておかなければなりません。思うものはなかなか入手できないときはとても困ります。
灯部も自然素材が多いです。例えば和紙・へちま・布などを良く使います。この分野の試行試作も面白いです。自然素材に限らず、ほかにもいろいろ試そうと思っています。
加工
木工機械や型紙を使っても、すべて同じ形にはしていません。例えば荒木取りをするとき大きめにしておけば、その後のデザインの自由度は大きくなります。基本的なデザインは同じでも、ひとつひとつが微妙に違っているはずです。作品を直接みていただくと、大きさやカーブなどが微妙に違っているのがお判りいただけるとおもいます。
手加工は曲面や面取り、彫刻など手道具のノミやカンナが活躍する世界です。作業としては楽しいときです。効率は良くなくても作品の形が現れてくる過程がおもしろくて、機械加工の比ではないです。
枝材は当然ひとつひとつ形が違うため手間がかかります。治具は使いますが、改良の余地が多いです。
仕上
木の質感と健康を考えて自然塗料系のオイル仕上げが多いです。作品の目的、デザイン等により、ウレタン系の塗料も使っています。
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主宰者プロフィール |
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耕クラフト 山本耕道 Yamamoto-Kohji
1943年 福岡県出身の両親のもと、栃木県足利市に生まれる。
1970年(昭和45年)メーカー入社。
製造・技術・営業・MK(企画)等を経験した。
1987年頃から 1100人の会、秋岡芳夫氏の「ドマ工房」にて木とモノ作りを
学ぶ。
1987年4月 木戯の会入会
1988年−1999年 ソリウッド木工教室(*)で木工を学ぶ。
1993年頃よりデパート・画廊を中心に創作活動を開始。
以降年3回程度のペースで出展している。
2000年−2002年 日韓の木工家を中心に3回相互訪問交流を行った。
(韓国:光州市の無等造形会−−日本:木戯の会)
2003年7月 横浜市の舞岡に工房を構える。
(2003年9月 定年退職)
2006年11月11日 日本テレビの旅番組「ぶらり途中下車の旅」で放送され
た。
木戯の会 会員
(*) ソリウッド・プロダクツ梶@ http://www.soliwood.com/
神奈川県相模湖町寸沢嵐2536-4 Tel 0426-85-2330
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